こんにちは、ななえもんです。
物価上昇、円安、株式高騰などさまざまなニュースが飛び交う毎日ですが、不安定なこのご時世、将来の生活への不安を感じている方も多いかと思います。
今日は老後の収入と支出、必要になる貯蓄額、資産形成のためにすべきことなど、将来設計のいろいろな疑問について具体的な数字を出しながら解説をしていきます。
最近明るい話題がなく、将来が見えなくて不安だよね~!
一緒に考えていこう!
老後はどれくらいの収入が得られるの?
老後の収入について今の段階できちんと知っておくことは、将来必要になる貯蓄額を把握するためにとても重要なことです。
私を含め、定年後にそれなりの労働収入や不動産賃貸などの不労所得を得るのはなかなか難しいので、老後は年金がメインの収入になります。
下表は40年間保険料を納付した場合の年金受給額とその推移です。
年度 | 厚生年金(平均年収) | 国民年金 |
2005年 | 16万7091円 | 6万6208円 |
2010年 | 16万6583円 | 6万6008円 |
2015年 | 15万6499円 | 6万5008円 |
2020年 | 15万5583円 | 6万5141円 |
厚生年金・国民年金どちらも年々受給額が減少してきているので、今後も少子高齢化が進むにつれて金額が下がっていくことを想定しておかないといけませんね。
厚生年金は平均年収に基づいて算出しているので、これを下回る場合は当然ながら受給額も減ることになります。
また、納付期間が短くなるにつれて支給額は減少していきます。
年代別の平均年収と自身の年収を比較して、将来受給できる年金のおおよその金額を把握しておきましょう。
年代 | 平均年収 | ||
男性 | 女性 | 全体 | |
20代 | 377万円 | 329万円 | 352万円 |
30代 | 494万円 | 383万円 | 447万円 |
40代 | 585万円 | 410万円 | 511万円 |
50代 | 674万円 | 434万円 | 607万円 |
全年代 | 414万円 | 356万円 | 414万円 |
これまでの加入実績に基づいた年金額が知りたければ、毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を見てみよう!
老後の生活費はいくら必要?
自身の老後の収入がいくらになるかなんとなく理解したうえで、次に把握しておく必要があるのは月々の支出額です!
当たり前ですが、支出が収入を上回ってしまう場合、毎月貯蓄を取り崩していくことになるのでとっても不安ですよね。
下表は総務省が公表している65歳以上の世帯の支出統計です。
もちろん都市部と地方では物価が違いますが、表内の金額は全国の平均値で計算されています。
ここで注意しておくべき点は、持ち家か賃貸かによって支出額が大きく変わることです。
支出項目 | 単身世帯 | 夫婦二人世帯 |
食費 | 40,103円 | 72,930円 |
住居費用 | 12,564円 | 16,827円 |
光熱・水道費 | 14,436円 | 22,422円 |
家具・家事用品 | 5,923円 | 10,477円 |
衣料品 | 5,159円 | 3,241円 |
医療費 | 7,981円 | 16,879円 |
交通・通信費 | 15,086円 | 30,729円 |
娯楽 | 15,277円 | 24,690円 |
交際費 | 15,990円 | 24,230円 |
その他雑費等消費支出 | 14,813円 | 20,804円 |
消費支出合計 | 145,430円 | 250,959円 |
単身世帯・夫婦世帯どちらも住居費用が1万円台となっていますが、賃貸住まいである場合は家賃や管理費を住居費用として計算しておく必要があります。
生活費の内訳を見ると、単身世帯は食費が一日1,300円!
かなり切り詰めた生活だね。
恐ろしいことに、単身の持ち家世帯は厚生年金満額でギリギリ、夫婦二人世帯のは場合は、共働きで厚生年金満額でも都市部の賃貸だと月々の支出がマイナスになるのにゃ。
老後のための蓄えは一体どのくらい必要なの?
下表は総務省の家計調査報告書の可処分所得と消費支出から月々の収支を計算したものです。
単身世帯の厚生年金収入・国民年金収入、夫婦世帯のどちらも厚生年金収入・国民年金収入、一方のみ厚生年金収入など、さまざまなパターンが考えられますが、こちらは全国平均値です。
月々の収支 | 単身世帯 | 夫婦二人世帯 |
可処分所得(収入) | 114,683円 | 213,042円 |
消費支出 | 145,430円 | 250,959円 |
収入-支出 | -30,747円 | -37,917円 |
単身世帯、夫婦世帯どちらも収入より支出が上回っているじゃん!
みんな毎月貯蓄を取り崩しているわけにゃね。
これが『老後2000万円問題』の発端となったものなのにゃ。
今回、利用したデータは2023年のものですが、『老後2000万円問題』が話題になった2019年の家計調査報告では、夫婦世帯で毎月の収支が約-5.5万円となっていました。
これを平均寿命から想定した30年で計算すると以下になります。
収入(年金その他):209,198円
支出(食費、住居費、光熱費等):267,718円
毎月の収支:-54,520円
——————
-54,520×12ヵ月×30年=-19,627,200円(約2000万円)
あれ…?
2000万円ってもちろん大金だけど、「夫婦で」なんだね。
1人2000万円の貯蓄が必要と認識している人が多いにゃんが、夫婦世帯で2000万円だから、1人当たり1000万円なのにゃ。
単身世帯では収入に対しての消費支出割合が上がるので、約1600万円ほどが必要にゃ。
ただし、この金額はあくまで平均値。
年金のみの収入で充分な生活ができる方がいる一方、年収が平均値未満の方や国民年金受給者、厚生年金の保険料納付期間が短い方などは1000万円では不足する可能性が大いにあります。
当時、老後2000万円問題が大きく報道されていたのは、日本に眠る1000兆円を超えると言われている貯蓄を経済活性化のために動かしたいという政府の思惑もあったのかもしれませんが、貯蓄が少なく苦しい生活を送っている方がいるというのも現実です。
よくニュースやYouTubeで年金受給されている方の街頭インタビューを見るけど、年金だけではやっていけなくて、高齢なのに無理して働いていらっしゃる方が多くて泣けてくる。
自身の収入予測と支出予測を上記の計算方法と同様に12ヵ月×30年をかけると、将来必要になる貯蓄額を算出することができます。
先々の給与上昇率や何歳まで生きられるのかなど不確定なところが多いので、予測としておおよその数字を出しておく程度で良いでしょう。
【例】
夫35歳 年収450万円 厚生年金満額受給 持ち家
妻32歳 年収200万円 国民年金満額受給
—————-
収入予測:夫155,583円/妻65,141円 ⇒ 合計220,724円
可処分所得:220,724 – 31,525(税金・社会保険料) ⇒ 189,199円
毎月の収支:-61,760円
老後必要になる貯蓄額
夫婦世帯:22,233,600円(61,760円×12ヵ月×30年)
1人当たり:11,116,800円
退職金が見込める場合はその金額を差し引くとより正確な必要貯蓄額を算出できるにゃ。
貯蓄と投資では20年後にどのくらい差が出るの?
老後2000万円問題の誤解が少し解けてほっとしているそこのあなた!ちょっと待ってください。
先述したように、年金受給額は年々下がり続けているので、私たちが年金受給者になった時には年金が満足に支給されているかは分かりません。
そう考えると貯蓄はあるに越したことはないですが、そう簡単に貯められないのが現実です。
やっぱり私は投資を推すよ!
労働収入や現金預金だけではなかなか資産を増やせないもん。
では、銀行へ積立貯金をした場合と、NISAやiDeCoなどの長期積立投資をした場合に、20年でどのくらい資産額に差が出るのでしょうか?
ここで、予測結果を比較してみましょう。
・積立貯金は利率ランキング上位のイオン銀行、楽天銀行、ソニー銀行などの0.02%で設定。
・投資の利回りは堅実な3%と中央値の5%でシミュレーション。
貯金の場合
積立額/月 | 10年 | 20年 |
1万円 | 1,20,0924円 | 2,403,761円 |
3万円 | 3,602,868円 | 7,211,474円 |
5万円 | 6,004,781円 | 12,019,132円 |
7万円 | 8,406,709円 | 16,826,821円 |
長期投資の場合
積立額/月 | 10年 | 20年 | 貯金との差額 |
1万円 | 1,355,890円 | 3,075,501円 | +671,740 円 |
3万円 | 4,067,794円 | 9,226,779円 | +2,015,305 円 |
5万円 | 6,779,702円 | 15,378,046円 | +3,358,914 円 |
7万円 | 9,491,610円 | 21,529,333円 | +4,702,512 円 |
積立額/月 | 10年 | 20年 | 貯金との差額 |
1万円 | 1,473,613円 | 3,659,944円 | +1,256,183円 |
3万円 | 4,420,952円 | 10,980,104円 | +3,768,630 円 |
5万円 | 7,368,279円 | 18,300,259円 | +6,281,127円 |
7万円 | 10,315,618円 | 25,620,429円 | +8,793,608円 |
3万円を毎月積み立てた場合の堅実年利3%と銀行貯金との差額は約200万円、年利5%との比較では400万円弱という結果になっており、貯金と投資では資産額に大きな差が出ることが分かるかと思います。
「投資のことはよく分からない…。」
「リスクがあるので怖い」
という方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、金融庁によれば、長期の積立投資をした場合、5年では元本割れ比率が3~10%ありましたが、20年以上の投資では元本割れする頻度は0という試算でした。
投資に絶対はないけど、現金価値はどんどん下がっているし、現金貯金だと金利も低くなかなか増やしづらい点を考えると、長期的なインデックス投資に信頼感を感じるよね。
過去に0だったからこれからも大丈夫ということにはなりませんが、長期の積立投資では暴落が起きても元本割れしていないという事実はリスクが低いことを証明するポイントになるかと思います。
長期投資 過去の利回り
過去の米国、日本、全世界の利回り実績を表にしたものがこちらです。
地域 | 銘柄 | 10年 | 20年 | 30年 |
米国 | S&P500 | 17.1% | 12.1% | 12% |
NASDAQ | 18.7% | 13% | 12.2% | |
日本 | 日経平均株価 | 10.1% | 6.2% | 2.4% |
TOPIX | 11.2% | 6.5% | 3.6% | |
全世界 | MSCIオールカントリー | 13.5% | 10.4% | 9.5% |
10年から30年の長期投資で元本割れどころか10%を超える利回り実績になってるね!
複利効果で資産が増えていくから、この期間に投資をしていた人たちはかなり資産を増やしていることになるにゃ。
複利効果が分かりやすくなるように、毎月3万円を積立投資していた場合のシミュレーションしてみました。
地域 | 銘柄 | 10年 | 20年 | 30年 |
米国 | S&P500 | 7,519,890円 | 21,405,434円 | 59,916,278円 |
NASDAQ | 8,092,401円 | 23,410,967円 | 61,890,448円 | |
日本 | 日経平均株価 | 5,500,150円 | 12,226,692円 | 14,576,222円 |
TOPIX | 5,771,762円 | 12,564,355円 | 17,085,565円 | |
全世界 | MSCIオールカントリー | 6,391,326円 | 18,124,960円 | 40,304,678円 |
すごすぎて言葉が出ない…。
30年だと、1080万円の元本に対してこれだけ増えたんだ…!
将来の資産形成のためにすべきことは?
前章で投資と貯蓄の資産額の差や過去の利回り実績について触れましたが、将来のための資産形成には長期の積立投資が最適解だと私は思っています。
利益に対して税金が免除されるNISAはすでに多くの方が利用している国の制度で、課税免除の恩恵を受けながらリスクの低い投資を始めることができます。
各証券会社がNISAのサービスを提供していますが、その中でも私が特におすすめするのが楽天証券。
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・なぜ楽天証券が選ばれているのか?
・楽天証券の始め方やおすすめの銘柄
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