【賃貸 VS 持ち家】どちらが節約に効果的!?不動産が”負”動産になる将来

節約界隈で度々話題になる「賃貸 VS 持ち家」論争。
前回の記事では、固定費の中で最も大きな割合を占める「家賃」の見直しについて賃貸物件にフォーカスを当ててご紹介しましたが、そもそもマイホームを検討している人にとっては関係のない話。
そこで今回は、賃貸物件と持ち家のどちらがより節約に効果的なのかを比較しながら、私の持論も述べていこうと思います。
今まさに賃貸か持ち家かで悩んでいる方にとって参考になれば幸いです。

目次

賃貸物件と持ち家のメリット・デメリット

結論から言うと、私は「賃貸物件派」です。
前回の記事の中でも触れましたが、私は結婚当時主人の実家の空き家を格安で借りて住んでいました。
しかし、実は今は持ち家で暮らしています。

そんな私がなぜ「賃貸物件派」なのか…?
それは、賃貸物件に住むこととマイホームを持つことを比較したときに、自分のライフスタイルや将来のことを考えると前者の方がメリットが大きいと感じているからです。
(「じゃあなぜ持ち家を選んだんだよ!!」というツッコミが聞こえてきそうですが、理由はのちほど。)

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メリットデメリット
賃貸物件いつでも自由に引越しができる
設備の交換や修理費用の負担がない
固定資産税や都市計画税が不要
年収の変化に合わせて住居費をコントロールしやすい
内装や間取り、設備などが自分で決められない
一生、家賃の支払いが続く
高齢になったとき契約を更新できないことがある
持ち家自分の資産になる
間取りや設備などを自由にできる
退職までにローンを完済すれば老後の住居費の負担が軽くなる
売却することが可能
自分のものを自由に使えるため精神的に楽
ご近所トラブルが起きたり環境に問題が生じたりしても簡単に引越せない
住居費を下げられない
固定資産税・都市計画税がかかる
自然災害の被害が賃貸よりも大きくなる
賃貸 VS 持ち家 比較表

私は田舎住みだから、今でもマイホームを持つのが当たり前という習慣があるの。
そういったしがらみもあり、私も友人もみんな自分の家を持っているよ。
私は本当は賃貸物件がいいとは思っているんだけど…。

「家を持って初めて一人前」という言葉があるくらいだもんにゃ。
オラたちの時代は家を建てることが男の甲斐性と言われてきたもんだべさ。

あんた何歳…?

賃貸物件と持ち家 かかる費用の違い

では実際に、賃貸物件と持ち家とでかかる費用の違いはどれくらいあるものなのでしょうか。
メリット・デメリットの表にもあるとおり、それぞれにかかる費用として例えば以下が挙げられます。

賃貸物件持ち家
・家賃、共益費
・契約更新費
・保険料
・住宅ローンの返済
・メンテナンス費用(リフォームや大規模修繕費用)
・管理費(マンションの場合)
・固定資産税などの税金
・保険料
賃貸物件と持ち家それぞれにかかる費用

ここで、賃貸物件と持ち家それぞれに50年間住んだ場合の費用を計算してみましょう。
なお、前提条件として仮に以下のように設定したとします。

【賃貸物件の場合】
物件:ファミリー向け賃貸マンション
家賃:10万円
引越し:家族構成やライフスタイルの変化に合わせて、40歳・56歳・65歳の3回

【持ち家の場合】
物件:新築戸建て
購入価格:4000万円
資金計画:頭金500万円、借入額3500万円(固定金利型1.5%、返済期間35年、元利均等返済)

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賃貸物件持ち家
月々の住居費用毎月の家賃(共益費含む)
30~39歳:10万円×10年分
40~55歳:12万円×16年分
56~64歳:10万円×8年分
65~79歳:8万円×16年分
→50年間の家賃の合計額:約6000万円
毎月返済額:10万7164円
50年間の総返済額(返済は35年で完了):約4500万円
諸費用:120万円 (物件価格4000万円の3%)
頭金:500万円

→50年間の住宅ローン返済+諸費用+頭金の合計額:約5120万円
住宅ローン返済・家賃以外に
かかる住居費
●更新料
家賃1カ月分×21回:210万円

●敷金、礼金、仲介手数料(引越しの年)
家賃3カ月分 ×3回:90万円

●引越し代(3回分)
約30万円

→50年間の支払い合計:約330万円
屋根、外観、内装、水回り、設備等の修繕費
→50年間の合計額:約1000~1500万円
税金固定資産税・都市計画税:0円固定資産税・都市計画税:年間数万円~20万円程度
※10万円/月と仮定
合計6330万円6620~7120万円
賃貸物件と持ち家の50年間の費用比較 ※保険費用は除外

あれ、数百万円の差はあるけど、そこまで変わらないじゃない!

賃貸物件には税金や修繕費がかからないと思っている人が多いが、実際のところそれは家賃に上乗せされて請求されているわけだから、実情はこんなもんにゃ。

しかーし!
将来のことまで考えているにゃら、「リセールバリュー」についても考慮する必要があるにゃ!

リセールバリュー…?
トップバリューならよく買い物に行くけど。

リセールバリューとは、取得した財産を再び売却したときの価値のことをいい、不動産においては、その物件の資産価値を表すものです。

不動産が”負”動産に!?リセールバリューについて考えよう

マイホームの場合、一生住み続けることを考えると、リセールバリューを考える必要性はほとんどないかもしれません。
しかしこのご時世、せっかく建てた持ち家にずっと住んでいられる保証はありません。
また、親世代が死ぬまで住み続けられたとしても、自分の子供たちがその物件を相続するときのことまでも視野に入れておくべきでしょう。

リセールバリューが高く値下がりしにくい物件

1. 人気のエリア
2. 交通の便が良い、複数沿線交わっている
3. 周囲の環境が良い
4. 再開発が行われる予定の街
5. 管理が行き届いている物件 など

都会ならまだしも、辺鄙な田舎に家を建てても将来の価値なんてほぼないよね…。

鉄道延伸、企業の工場やショッピングモールの建設など奇跡的に需要が高まれば価値が爆上がりする可能性はなくもにゃい。
…期待するだけ無駄だがにゃ。

子供が巣立つまでの「今」の視点で見ると賃貸物件よりも持ち家のほうが環境的によりよく感じるのは事実ですが、持ち家が用済みになったときのことまでを考えると、なかなかそうもいきません。
相続の際、子供からすると「そんな土地(物件)いらないよ!」と迷惑がられる可能性もありますし、相続放棄すればいいと言っても、実は不動産だけの放棄はできないため、現金やその他の遺産もすべて一緒にあきらめなければいけません。
結局、自分たちの代できれいにカタを付けるつもりでいないと、子孫に迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

もちろん、不動産をうまく売却できればいいですが、売れるような土地でなければ意味が無いですし、売れなければ固定資産税の負担が最終的に子供たちにいくことになります。
不要な不動産を国に返すことができる制度もありますが、それにもお金がかかります。
参考:【法務省】相続土地国庫帰属制度について

タダでも売却できないような「負動産」が溢れかえる日本。
子供たちがいまの私たちの世代になったときのことを考えると、「自由度や精神面的に持ち家が絶対いい!」と決めきれないのが事実です。

私の友人の話なんだけど、親が亡くなったときに相続した不動産が、山や畑も含めて約50個くらいあったの。
国に返すには調査費用もかかるし、相続放棄しようにも、自分たち兄弟だけでは済まず、その次の相続権を持つ人に順位が移っていくからめちゃくちゃ迷惑がかかることが分かって…。
結局、要らない動産に対して固定資産税を年30万円ほど払うことになったそうよ。

しかも問題を先送りにしただけだから、解決したわけじゃないにゃ。
またその先に相続する子孫が迷惑をこうむることになるにゃね。

節約効果はトントン。残るは将来の資産価値。

結果的に、節約効果でいうと賃貸も持ち家もさほど変わらないことが分かりました。
しかし、一昔前までは「持ち家一択」が世論でしたが、リセールバリューや相続の問題もあり、将来を考えると賃貸物件がいいのではないかという意見が増えてきました。
先述したように、私自身マイホームを持ってはいるものの、住んでいるのがド田舎ということもあり、資産価値を考慮すると賃貸物件にすべきだったと今では思っています。
ただ、これはあくまで私自身の経験からくる個人的な意見であり、実際のところ賃貸物件に関しても将来的にさまざまな問題が起こりうる可能性があります。

あくまで選択するのはみなさん自身なので、今回の記事は参考程度にして、それぞれにとって最善の選択ができるよう祈っています!

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